小児歯科(children dental)
当院は小児歯科専門医は在籍していません。
それでも小児歯科を標榜しているのは、子供の頃の歯科治療が苦痛であれば、大人になっても歯科医院から遠ざかり、結果としてお口の健康が悪くなり、全身の健康にまで影響が及ぶことがデータ的に分かってきているからです。
実際に歯学部を卒業後、小児歯科の医局に残り研鑽を積まれた歯科医師はほとんどいらっしゃいません。
100人中1人いるかいないかです。
従いまして、お近くの歯科医で小児歯科専門で開業されていらっしゃる先生はほとんどいらっしゃらないと思います。
当院では、「子供は未来の大人」という概念を持っています。
治療を受けられたお子さんが、「歯科衛生士や歯科医師になって当院に努めたい」と思っていただけるように治療や予防に向きあっています。
歯科医院が初めてのお子様も、苦手なお子様も、まずは慣れてから治療に入ります。
お母さんのご要望を聞きながら、治療をすすめていきます。
小児歯科診療の進め方
当院の小児歯科診療は基本的に以下の基準で進めさせて頂きます。
1、小児の歯科治療は4歳以降が適切と言われています。
それは幼稚園に入園する年齢だからです。
幼稚園に入ると集団生活となり、規則の存在に気づいたり、泣いていたら恥ずかしいなどの気持ちが芽生えます。
そこで歯の治療は自分の為であることが分かるようになるからです。
基本的には4歳以上のお子さんの治療は保護者の方に待合室でお待ち頂く形をとっています。
2、兄弟・姉妹が同時受診の場合
基本的に年上から治療を行います。
兄や姉の方が泣く確率が低いからです。
またお兄ちゃん・お姉ちゃんが頑張っていると弟・妹も頑張ってくれる可能性が高まるからです。
子供のレントゲン撮影は安全ですか?
歯の生え替わり時期のむし歯にご注意を!
乳歯から永久歯に生え替わる時期(6~12才頃)は、私たちが一生に一度だけ経験するお口の大変動期です。
そしてこの時期は、じつはお子さんのお口の健康にとって大変リスキーな時期でもあります。
生えたての歯は柔らかくむし歯菌の出す酸に弱いうえ、生えかけの奥歯はかみ合わせ面が引っ込んでいます。グラグラする歯の周りには隙間が出来て汚れがたまりやすく、歯みがきがとても難しくなります。
生えたての永久歯をむし歯にしてしまうお子さんはめずらしくありません。
ただし、困難なこの大変動期を越えれば、歯は徐々に硬く丈夫になっていきます。歯が生えそろえば、歯みがきも楽になります。
早めのメインテナンスでむし歯が予防出来ます!
赤ちゃんの小さな歯を守るには、まずママ・パパのお口からです。
現在のように、さまざまな情報が氾濫していると、赤ちゃんのむし歯予防をいつ頃からすればよいのか、どのようにすればいいのか、と迷う親御さんは多いのではないかと思います。
お子さんのむし歯予防に熱心なご家庭が増えていて、そのおかげで子どものむし歯は以前に比べて格段に減っています。
ただ一方で、むし歯を赤ちゃんにうつさないためにスキンシップを控えたり、甘いものを徹底的に我慢させたり、就寝前の仕上げ磨きの出来不出来に一喜一憂したりと、むし歯予防のために、子育てのストレスが増えているのではないかと心配になってしまうことがあります。
そこで提案したいのは、お子さんのむし歯予防をママ・パパだけで担うのではなく、その肩の荷を歯科医院で降ろして、プロが持っているむし歯予防のノウハウを使い、一緒にやっていくことです。
いちばん効果があるのは、赤ちゃんに歯が生えてくる前に、ママ・パパが率先してむし歯を治療し、定期的にお口をクリーニングして、赤ちゃんへのむし歯菌の感染を減らすということです。
赤ちゃんにむし歯菌が少なければ、お子さんの成長後も、むし歯と格闘するストレスはグッと減るはずです。
一緒にむし歯を予防しましょう。
お子さんの歯が生えたらいっしょに歯科医院につれていき、最初はちょっとお口の中を覗かせてもらうところからはじめたらよいと考えております。
習慣的に通院することで、歯科医院を「こわいところだ」「いやなところだ」と思わない子どもに育ちます。
歯科医院とのあいだに信頼関係が生まれるからです。
小さな子供の診療、ことにむし歯治療は、以前は3歳を過ぎないとなかなかたいへんだといわれてきました。
幼すぎて聞き分けがなく、こわがって泣いたり暴れたりしてしまうから、思われていたからです。
しかし私は、子どもの診療の鍵を握るのは年齢ではなく、歯医者さんとの信頼関係だと思っています。
子どもの一生懸命な力を引き出すことができるのは、強制でもしつけでもなく、歯医者さんとの信頼関係です。
低ホスファターゼ症(HPP)
低ホスファターゼ症とは遺伝子変異による骨の石灰化に必要な酵素であるアルカリホスファターゼ(ALP)の活性低下に起因する遺伝性の病気です。
発症頻度は重症型で日本では約15万人に1人とされており、全国で毎年7人程度の出生とされる稀な病気ではあります。
ただ進行性の病気ですから早期発見が重要です。
<歯の症状>
1、4歳になる前に歯が抜けた。
2、抜けた歯の根が長い。
<全身的な症状>
1、ハイハイや立ち上がり、歩き始めが遅い。
2、補助なしでは歩けない。
3、低身長・低体重。
4、骨が短い・曲がっている。
5、骨が簡単に折れやすく、なおりにくい。
6、骨や筋肉、関節の痛みが続く。
7、日常生活の動作が難しい。
(走る、階段の上り下り、物を持つ・運ぶなど)
当院では発見次第、大学病院(大阪歯科大学附属病院小児歯科・大阪大学歯学部附属病院小児歯科)などへ紹介させて頂きます。
HPPの主症状である
「4歳になる前に歯が抜けた」
「抜けた乳歯の根が長い」
に注意して下さい。
小児歯科 研修実績
北摂四地区合同学術講演会 参加
令和元年7月21日は毎年恒例の北摂四地区合同学術講演会に参加してました。
講師は著名な小児歯科医の岡崎好秀先生。
小児歯科の講演会も岡崎先生の講演会も久しぶりに受講しました。
ほぼ毎週どこかで講演されている岡崎先生はやはりレクチャーがうまいです。
小児歯科医からの講演ですが、摂食嚥下等にも詳しく、一般的な臨床にも役立つ内容で参加して良かったです。